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今と昔の考え方の違い

先日、とある古民家の現場調査に行ってきました。

今回は、そこのお家ではないのですが古民家のお話をしたいと思います。


いきなりですが、皆さん古民家の定義をご存じですか?

古民家という言葉は、今ではよくメディアなどでも発信されており、

聞いたことがあるという方も多いのではないかと思います。


いくつかの捉え方があり、

一般的には「一般庶民が住む古い建物」とあります。


が、国の登録有形文化財制度に合わせ定義すると、

・ 築年数50年以上

・「木造軸組工法」の「伝統工法」または「在来工法」の住宅のことをさします。



「伝統工法」や「在来工法」のことを述べると長くなりますので、また次回にさせていただきますが、この定義で言うと意外と多くの建物が古民家の定義に当てはまると思います。




今回はその中でも「屋根」のお話を少々。


昔の家は柱や土台は今と違い石の上に乗せるだけという造りでした。

耐震等級や建築法なども適用されていません。


その建物が、50年100年と度重なる地震や災害を経験しながら倒壊せずに残るものが多く存在します。

これは、今でいう地震に抵抗する耐震の考えとは違い、地震に逆らわない免震に通ずる考えに近いものです。



屋根の考えもそうです。昔の屋根瓦は土の上に瓦を葺いています。

防水紙やルーフィングといったシートなども当然施工していません。

その代わりに、土の下には檜や杉の表皮を敷いています。


屋根に土を用い瓦を葺いているので、重量も相当なものになります。

現代主に使用されているガルバニウム剛板の屋根材がおよそ一平米あたり5キロくらいとされており対して土葺き瓦は一平米あたりあよそ60~70キロほどと考えられています。


そんな土葺き瓦ですが当然地震が起きれば落下してしまいます。

が、昔はあえてそのようにしていたそうです。


さすがに外に人がいれば危険ですが、そのようにすることにより建物が屋根瓦が落ちて軽くなり、倒壊を防ぐこととなります。



現代では技術や工法が進み短い工期や少ない手間で住宅が建ちますが、

何百年と倒壊しない家を造るのはある意味、昔の人のほうが優れているかもしれませんね。


瓦が落ちた現場です。雨が建物に侵入してしまうと瞬く間に傷んでしまいます。




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